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リノベ豆知識

家の暑さ・寒さは“断熱力”で決まる! 快適な住まいの新常識とは?

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今回の名人

センター北店ショップマネージャー K.Mukai

戸建てにお住いの皆様、ご自宅の快適さ、健康、そして光熱費削減に繋がる「断熱リフォーム」をご存じですか?

 

日本の90%は今の基準以下の建物

2021年の国土交通省の資料によると、日本の既存住宅において、その約90%が断熱等級3以下といわれています。

十分な断熱対策がなされていない住宅は、電気代や住み心地だけでなく、健康や建物の劣化にも影響を及ぼす恐れがあります。

特に中古物件を購入する場合は必ず事前に断熱等級を確認し、リフォームの要不要を検討しましょう。

他国と比べても日本の住宅性能は遅れをとっており、欧米ではより早い段階から省エネルギー基準が浸透していました。

省エネを進めることは環境負荷軽減だけでなく、人々の健康にも直接影響します。


断熱等性能等級はUA値で定められています。

正式名称は「断熱等性能等級」といい、住宅の断熱性能がどのくらいかを示します。国土交通省が制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において設けられました。

断熱等性能等級は、必要な「UA値(外皮平均熱貫流率)」が定められています。

UA(ユー・エー)は「室内と外気の熱の出入りのしやすさ」を表したもの建物の内外の温度差を1℃とした時に、建物の内部から外へ逃げる単位時間あたりの熱量を外皮面積で割ることで算出します。

つまり、このUA値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いということ。

東京などの地域(6地域)に関して言えば、等級5ならUA値が0.6、等級6は0.46、等級7は0.26以下でなくてはなりません。

等級を満たすには、それぞれの基準を満たすように断熱材や開口部などの建材を選ぶ必要があります。

この基準は1970年代以降、エネルギー危機を背景に少しずつ見直され、近年ではさらに高いレベルの断熱性能が求められるようになっています。

ただし、古い建物はこれらの基準を満たしていないケースが多く、断熱のためのリフォームが課題となっています。

 断熱等級の地域区分

 


断熱性・省エネルギー性能について

断熱性・省エネルギー性能は住宅性能の基礎となる要素です。

適切な断熱材を用いることで室内温度を一定に保つとともに、冷暖房の効率を高める効果があります。

この性能が高いほど光熱費が抑えられるだけでなく、室内温度の急変による体への負担を減らすことが可能です。

特に冬場のヒートショックを防ぐ観点からも、この性能の向上は重要とされています。


 

「寒さ」は健康寿命にも影響があります

断熱性の低い家に住むことは健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

日本の居間はとにかく寒いので寿命に影響している一因として、家の寒さがあります。

「冷えは万病のもと」と言われるように、人間は寒さに弱いので、日本では、冬場(12月~2月)に亡くなる確率はそれ以外の季節の118%にもなります。冬の死亡率を他の季節並みにすれば、84歳の寿命が6年延びる計算になります。

窓をはじめとした開口部の断熱性能を高め、住宅の高性能化を推進することは、CO叶非出量や光熱費削減に繋がるほか、ヒートショックなど循環器疾患(脳梗塞・くも膜下出血・心筋症等)発症リスクの低減、アレルギー症状の緩和など健康面にも影響を及ぼします。

 

温度の安定した住環境が健康寿命を延ばし、医療費削減につながるため、快適な住まいは個人だけでなく社会全体にとってもメリットがあります。


 

断熱リフォームを行うことで期待できるメリット

1. 光熱費の削減

断熱等性能等級を上げることで、光熱費の削減が可能です。

たとえば東京における同条件の住宅で断熱等級4(省エネ基準)の家と断熱等級5(ZEH基準)との光熱費を比較すると年間6万円以上も差が生まれるとの試算データも存在します。

なぜこのような差が生まれるかというと断熱等性能が高いほど、外気温の影響を受けにくくなり、冷暖房の効果を高められるためです。その結果、冷暖房の使用時間や設定温度を抑えられ、光熱費の節約につながるのです。

断熱性能を高めることで、冷暖房のエネルギー消費が大幅に減少します。室内の温度を保つ力が向上するため、冷暖房器具の稼働時間が短縮され、結果として電気代やガス代の削減が可能です。

この削減効果は住宅の規模が大きいほど顕著に表れ、家計に与えるメリットも無視できません。

2. 室内の快適性向上

 断熱材を設置することで、室温が一定に保たれるため、夏の酷暑や冬の極寒でも快適に過ごせます。

例えば、リフォーム後に冬でも20℃程度に室温を保つことが可能となり、ヒートショックのリスクが低下したケースがあります。また、床が冷たくなくなるなど、体感的な快適さが向上します。

これは小さな子どもや高齢者がいる家庭に特に大きなメリットです。

3. 健康への良い影響

 断熱性の向上は体調を崩しにくい住環境をつくります。

具体的には、断熱が不十分な住宅に住む高齢者が冬季の心筋梗塞や脳卒中のリスクを低減したという研究結果が報告されています。また、結露が発生しにくくなるため、カビの発生も防げます。

これにより、アレルギーや喘息など、呼吸器疾患のリスクも低下します。健康的な住環境が、医療費削減やQOL(生活の質)の向上に寄与します。

4.住宅の寿命延長

 断熱性能の向上により結露が防止され、木材や金属部材の腐食や劣化が遅くなります。

例えば、屋根裏や壁内での結露が減少することで柱や梁の腐敗が抑えられるケースが報告されています。

さらに、湿気を伴うカビの発生も抑えられるため、建物全体の耐久性が向上します。これにより、リフォーム頻度や大規模修繕が減少し、長期間にわたり住宅が良好な状態を保つことが可能となります。

 


 

リフォームの際に断熱性能を高める

1. 窓の断熱強化

家の熱の約50〜70%は窓から出入りすると言われています。対策としては、二重窓(内窓)やLow-E複層ガラスを採用すると、冷暖房の効率がアップし、結露も軽減されます。

2. 断熱カーテン・シェードの活用

窓の断熱が難しい場合は、遮熱・断熱効果のあるカーテンやハニカムスクリーンを使うのも有効。夏は日射を防ぎ、冬は室内の暖気を逃がしにくくできます。

3. 壁の断熱材を見直す

古い住宅では壁の断熱材が不十分なことも。リフォーム時に発泡ウレタンやグラスウールなどの断熱材を追加すると、外気の影響を受けにくくなります。

4. 床下・天井の断熱

床や天井からも熱は逃げます。床下断熱材を施工したり、屋根裏に遮熱シートを敷くことで、より効果的に断熱できます。

5. 玄関ドアの断熱性向上

玄関からの冷気・熱気の流入も見逃せません。断熱性能の高い玄関ドアに交換したり、隙間を防ぐパッキンを活用すると、室温が安定しやすくなります。

断熱対策を見直すことで、光熱費の節約や快適な室内環境が実現できます。まずはできるところから取り入れてみませんか?

 

 


 

事例紹介:断熱リフォームで叶えた快適な暮らし

リフォーム後、「冬でもリビングが暖かい」「夏の冷房効率が上がった!」という声を多数いただいています。

ぜひ、実際の事例をご覧ください!

Before

 

今回、採用したのは「セルロースファイバー」

優れた断熱性を有しているとともに、古紙(新聞紙など)を原料としている

エコな素材でもあります。

繊維質なので「調湿効果」や「消臭効果」も併せ持つのも特徴です。

       

屋根裏全体を専用シートで覆います。そして、屋根裏へセルロースファイバーを均一に吹き込んで完成です!

After

 


まとめ

快適な住まいを目指す上で、断熱性能の向上は重要な要素です。

室内環境を整えることで、健康寿命の延伸や光熱費削減という実用的なメリットが得られます。

また、住宅の価値を高めることにもつながり、将来的な資産としての利点もあります。新築だけでなくリフォームでも断熱性能の向上を意識することが、快適で持続可能な生活につながる一歩となります。

 

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「自宅が基準以下だったらどうしよう…」と気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。

診断や見積もりはもちろん無料です!

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快適な住まいは、健康と省エネから始まります。

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